定額分を超過するかどうか
残業代を毎月定額で支払われている場合、支払われている残業代の金額が、実際の残業時間に対する対価としての実質を有しているかということが問題になります。
つまり、実労働時間により算出される割増された残業代が定額残業代を超える場合には、その超過した差額を請求することができます。
超過しているかどうかの確認方法 月収制の方
月平均所定労働時間 | 173時間 |
---|---|
賃金総額 | 30万円 |
定額残業代 | 30万円のうち2万円 |
まず、賃金に含まれている2万円が、何時間分の残業代が計算します。
- 時間給を計算する
(賃金総額 - 定額残業代) ÷ 月平均所定労働時間
(30万円 - 2万円) ÷ 173時間 = 1,618円 - 残業時間分の時間給を計算する
時間給 × 割増率(1.25)
1,618 × 1.25 = 2,023円 - 定額残業代に対する残業時間を計算する
定額残業代 ÷ 残業時間分の時間給
2万円 ÷ 2,023円 ≒ 10時間
この例では、10時間分の残業代が含まれていることとなり、10時間以上働いている場合は残業代の請求が可能です。
みなし労働時間制や年俸制などで、残業代が定額で支払われている方にも同様のことが言えますので、計算方法についてはそれぞれのページをご確認ください。
なお、使用者が残業代を毎月定額で支払う場合は、就業規則や給与規定、労働契約などにおいてその旨を示し、かつ、基本給のうち残業代に当たる部分を明確に区分する必要があります。(年俸制や歩合給についても同様です。)
残業代が定額で支払われている方は、勤務先の就業規則なども一度ご確認されることをお勧めします。