「消せるボールペン」で残業代を不正受給して懲戒免職に

2014.05.14

4月8日付けの読売新聞は、「『消せるボールペン』で勤務水増し・・・痕跡残らず」という記事を報じています。

こちらの記事によりますと、茨城県土浦市消防本部で昨年9月、時間外勤務手当約70万円を不正受給していたとして、男性主任(当時30歳)が懲戒免職となりました。給与担当だった男性は、「消せるボールペン」で勤務管理表を書いて上司の決裁を受け、市人事課に運ぶ途中に書き換えて時間を水増ししていたとのことです。

その他にも、2012年8月には大阪府警の男性巡査部長が「消せるボールペン」で調書を作成したうえ、容疑者が署名押印した後に勝手に書き直して改ざんしたとして、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで巡査部長を書類送検し、減給10分の1(6ヶ月)の懲戒処分としましたし、三重県津市では2013年5月、学校給食協会の臨時職員の女性が犯や米飯代の請求金額を「消せるボールペン」で不正に水増しするという手口で約4,200万円を着服し、詐欺容疑で逮捕されました。

「消せるボールペン」は何度も書いては消せて、痕跡は残りません。その特性を利用し、例えば読売新聞の記事にあるように、労働者が自身の勤務管理表を改ざんして時間外勤務の時間を水増しすることも可能ですし、逆に、使用者が労働者の勤務管理表を改ざんし時間外勤務時間を減らすことも可能です。

残業代ほしさに書類を改ざんすることは、歴とした犯罪です。絶対にしてはいけません。ただ、実際に働いた分だけ残業代を請求することは労働者に認められている正当な権利です。
残業時間を記載した毎月のタイムカードや勤務表を会社に提出し、手元にないという場合が多くあります。実際に残業代を請求する際には、記録が証拠になりますので、タイムカード等は写しをとっておくことをお勧めします。

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